ちょっと前のニュースになりますが、日本でも流れてましたかね?パーソナル・データの取り扱いに関する、Yahoo! CEOのメリッサ・マイヤー氏の発言が、最近の某国の某社を中心とした「オプトアウトで目的変更可能に」という主張と真っ向対立しているというニュースです。
The Drum の報道[1]によりますと、去る1月22日に行われたパネル・ディスカッションで、米Yahoo! CEOのメリッサ・マイヤー氏は、「一部テクノロジー企業がデータ販売の境界を押し広げようとすることによって、政府・消費者双方の信頼を失い、パーソナライズド・インターネットの発展を阻害している。」と述べたとのことです。個人による意思を伴った同意を経ないで、パーソナル・データから利益を得ようとする企業によって起きている信頼の喪失による経済的被害をさしたものです。「思うに、自己コントロールによる同意:あなたが何をしようとし、そのデータがどのように取り扱われ、どこに流れていくかということに関して、企業がオープンであり、個人がそれを能動的に認めることによってこそ、データが流れるようになるのだ。私たちは、データについてある種のことを行わないという能動的な商業的決定をする。」
同社のプライバシー・ポリシー[2]では、個人データは販売しないとしています。データは集計・統計化されて、オーディエンス・インサイトとして広告主に対して提供され、パーソナル・データの販売は行っていません。同社は、このようなアプローチが、広く採用されうると考えているとのことです。
また、マイヤー氏は、スノーデン事件を受けて、「データの保存と通信の仕方を変更し」暗号化もオーバーホールし、それによって顧客のブランドとサービスに対する信頼性が向上したといいます。
「パーソナライズされたインターネットはより良いインターネットです。そこに行くには、透明性と個人によるコントーロルが必要です。データはユーザのものであり、ユーザはそれを検査し、より信頼する他社に持って行くことができ、人々が利害得失に基づく判断をすることができるようにすべきです。多くの人は、この利害得失にもとづく判断をするのが難しい状態に置かれています。一部の会社のサービスが透明性を欠き、選択と制御の十分な機会を個人に与えていないからです。」
更に、米Yahoo! は、消費者に対して、データ取扱とデータのコントロールについて十分な制御を与えられるようにするために必要な商業的なコストは厭わないとしています。
同じパネルの中で、ケーブルテレビ会社であるリバティ・グループのCEOであるマイケル・フライ氏は「顧客データから利益を得られるように努力はするが、我が社には守るべき原則というものがある。視聴のパーソナライズや顧客データの利用には必ず顧客の同意が必要なのだ。これは、小さい字で利用規約に書くようなことではない。でかでかと書かれるべきことなのだ。」と述べています。
流石メリッサ・マイヤー。良いこと言いますね。
翻って、日本はどうなのかな?!
ちなみに、米Yahoo! は、プライバシー・ポリシー[2]に実影響があるような変更を施す際には、主メールアドレスに通知するとしています。通知です。公表じゃありません。まぁ、EU-USセーフ・ハーバー[3]に参加している[4]ので、EUと同様の規則に従うのは当然なんですね。
(出所)The Drum[1]
[1] SEB JOSEPH: “Yahoo’s Marissa Mayer: ‘Some internet vendors are not being transparent enough with data'”, The Drum, 2015-01-23, http://www.thedrum.com/news/2015/01/23/yahoo-s-marissa-mayer-some-internet-vendors-are-not-being-transparent-enough-data
[2] https://info.yahoo.com/privacy/us/yahoo/
[3] http://www.export.gov/safeharbor/
[4] https://info.yahoo.com/privacy/us/yahoo/safeharbor/
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「Yahoo! CEO メリッサ・マイヤー「消費者からの不信がパーソナル・インターネットの発展を阻害している。」「自己情報コントロールを!」」への1件の返信